演目紹介

  • 鍾馗

岩見系芸北神楽の中では最も貴ばれ、重い演目のひとつでです。この神楽は、日の神の弟である素戔嗚尊と備後風土記に出てくる茅の輪伝説、それに謡曲鐘馗とを合体した者といわれています。
素戔嗚尊が唐の国にいた時、鐘馗大神と名乗り、虚耗という悪疫神を退治したがその一族の残党が我が国に渡来し、大疫神となり人々を悩ましているので、茅の輪の威徳をもってこれを退治する物語です。
鐘馗大神は左手に茅の輪、右手に矛をもって舞い、茅の輪によって、魔術で身を隠している疫神の姿を探り、格闘の末遂にこれを征伐します。

  • 潮払い

神のご降臨を願う前に、神楽の場を浄める儀式舞い、橘の小門の阿波岐原の海水で禊ぎを行った神話に起源があり、東西南北の四方を拝むことから『四方祓い』の転化したもの

  • 頼政 鵺退治

頼政

当の帝は、第七十三代堀河天皇病床のおり、毎夜丑の刻になると御所の上を黒雲がたちこめてその中から、頭は猿、手足はトラからだは牛、尾は大蛇に似た、ヌエという怪物が現われ帝を悩ましていた  これを頼政が猪ノ早太とともに退治する場面です。

  • 恵比寿

恵比寿は、美保神社の祭神で、大国主命(おおくにぬしのみこと)の御子である事代主命(ことしろぬしのみこと)の神徳をたたえたものです。この演目は、恵比寿の釣りの場面を主体に舞われ、えびすの福神面とともに身振り手振りも面白く、おめでたい舞いとして結婚式や祝賀会で舞われる事が多くあります。

  • 大楠公

楠木正成は後醍醐天皇の勅命により、北条・足利軍勢とたびたび合戦を交えますが、再び勢力を盛り返した足利の軍を兵庫に迎え撃つという物語です。最後の決戦を前にわが子正行との分かれの場面が見せ場のひとつになっています

  • 塵 倫

仲哀天皇の御代に異国から数万の兵が攻めてきた。その時、塵倫という 翼をもつ大悪鬼が自由自在に空を飛びまわりやってきた。天皇はその塵倫を供の高麻呂を従えて天のかご弓と天の羽々矢でもってこれを退治します。塵倫の面は、神楽面の中でも最も大きく不気味でもあります。

  • 岩見重太郎

岩見重太郎は、敵の広瀬軍蔵を討伐するために諸国を歩いていたが、その途中にヒヒ退治をする石見の奥山に不気味な白ヒヒが住んでいて、毎年村の娘をさらい、村の住民を悩ませていたのでこれを退治する。 そして仇軍蔵を撃つべく旅を続ける。

  • 大 江 山

別名「酒呑童子」(しゅてんどうじ)ともいわれる「大江山」は京都にある源頼光が酒呑童子を退治したと伝えられる標高834メートルの山で、源頼公は一条天皇の勅命により、大江山の酒呑童子を退治しようとと四天王を連れて行く。 一行は鬼は出家には手をださないと聞き、山伏姿になります。 道中、神から神酒を授けられ、里人から 大江山の様子を聞いたのち、都からさらわれてきた姫の道案内で鬼の岩屋にたどり着く。岩屋では酒呑童子の家来たちが酒盛りをしていた。一行と酒をくみ交すうち、鬼たちは神酒の威徳によって酔いつぶれ、力を失ったところを退治する。

  • 八岐大蛇

八岐大蛇

悪行により高天ヶ原を追われた須佐之男命(すさのおのみこと)は、放浪の旅の途中出雲の国にて八岐大蛇の災難に嘆き悲しむ老夫婦と櫛稲田姫(くしいなだひめ)に出会う。理由を聞くと川上に八岐大蛇という大蛇がすみ、老夫婦の八人むすめが毎年1人ずつさらわれ、今年は最後に残った櫛稲田姫の番となったと語る。そこで、帝は一計を案じ毒酒を大蛇に飲ませ酔いねむらせたところを討ち取る。 その時大蛇の尾より宝剣「天むらくものつるぎ」が出てきてこれを天照大御神に献上します。